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薬剤処方は控え目が原則 [その他]

ハーバード大学(ボストン)のGordon D. Schiff准教授らは「薬剤処方は控え目を原則にする(conservative prescribing)ことが患者にとって有益である」との総説をArchives of Internal Medicine(2011; 171: 1433-1440)に発表した。

処方量は少なく実績は多くの原則に移行
Schiff准教授らは,研究の背景情報として「65歳未満の60%超が年1回以上の薬剤処方を受けているが,必ずしも診察のたびに処方が必要な患者ばかりではない」と指摘。
また,慎重な薬剤選択を推奨する理由として,予期せぬ副作用が相次いで報告されている現状を挙げている。

同准教授らは,薬剤処方を抑えるために取りうる一連の手順を概説。
「より適切,合理的,慎重もしくは用心深い処方といった標語も用いられているが,conservative prescribingは,よくいわれる“first, do no harm(まず有害でないこと)”という医師の原則を超えたアプローチを示している」と述べ,conservative prescribingのために以下の手順を推奨している。

(1)まず非薬物治療・予防策を考慮する。他の介入が有効ではないか,治療ではなく予防は可能かなどの可能性を考える

(2)より計画的な処方を行う。薬剤選択について正しく理解しているか,新薬に切り替える正当な理由があるか,複数の薬剤の使用が避けられないかを考える

(3)副作用に対する警戒を怠らない。潜在的薬物反応について患者に確認しているか,警戒すべき徴候を患者に伝えているか,選択した薬剤は禁断症状や再発を起こす可能性はないかを確認する

(4)新薬と新しい適応には慎重かつ懐疑的に接する。新しい治療法に関する情報をどこで入手するか,新薬の実績が増えるまで使用を待てないか,その薬剤は適応があり治療に有効かなどを考慮する

(5)検討課題を共有するために,患者とともに熟慮を重ねる。以前に用いたが奏効しなかった経験がないか,効果が見られない原因は患者の服薬不履行ではないかを確認する

(6)長期的で広範囲の効果を考慮する。別の治療の方が将来的に有害性が小さい可能性はないかを検討する

同准教授らは「これらの原則はいずれも特に新しいものではなく,大きな議論を呼ぶものでもないが,総合すると“newer and more is better(より新しく,より多く)”から“fewer and more time tested is best(処方量は少なく,実績は多く)”へのパラダイムシフトを表している」と説明。
処方を決定する際には,特に新薬や臨床実績がない薬剤についてより慎重に判断するように推奨し,「臨床医は常に,必要な薬剤の処方を控えてしまうことのリスクに対して,conservative prescribingの便益を重視しなければならないが,少なくとも,患者を薬剤によるリスクにさらす前に,より高い基準で有効性のエビデンスを求め,その検討結果の立証責任を果たすよう努めるべきである」と強調している。

出典 Medical Tribune 2011.12.8
版権 メディカル・トリビューン社


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